Tokのひとりごと日記 旅するピーちゃん
現在、反抗期の娘と2人暮らしをしているが、実は他にも成人した娘や息子が4人いる。
ピーちゃんは、次男のター君がまだ幼い頃、可愛がっていたぬいぐるみ。
今流行の「ハリネズミ」のぬいぐるみだ。
大人の手のひらに納まる大きさのピーちゃんは、彼の親友であり兄弟でもあった。
想像力たくましい時期でもあり、ター君の中でピーちゃんの家族が増えていき
その家族を探すために一緒にいるというような設定になっているようだった。
ピーちゃんはお父さん、お母さん、お姉さん、そして仲間達と森で暮らしていたらしい。なぜ逸れてしまったのかは分からないが、ター君のところにたどり着いたのだ。
2人はいつもべったりしている訳ではなかったが、ター君のとても大切な友人だと兄や姉も知っていてピーちゃんの目玉が取れてしまったときは小学生だった次女が一生懸命お裁縫していることもあった。
休みの日には、ピーちゃんの家族を探しに行こうと車で出かけることもあった。
姉兄たちは、ター君の創造をウソと言わず優しく受け止めてくれていた。。
ピーちゃんとの日々が何年かが過ぎた。
。。。その日、事件はおきた。。。
ピーちゃんが捨てられてしまったのだ。
「もう大きくなったのに、いつまでもこんなの持ってちゃダメだ」と
一番上の姉が、ター君のいない間にゴミに出してしまったのだ。。。
姉は姉で、周りの男の子に比べ、おとなしい ター君が心配だった。
ター君がどれだけ嘆き悲しんだか。。。実は私は覚えていない。。。
4人の子育てと仕事で目一杯だった。
たまには点滴しながら2時間ほど休みたい。。。と不謹慎なことを考えたこともあった。
ごめんね。ター君。
ター君は現在、社会人となり親元を離れ立派に独り立ちしている。
たまに行く彼の部屋には、手入れの行き届いた植物達とぬいぐるみが並んでいる。
大小さまざまな ぬいぐるみ達は、クマやウサギではなく
どれも まるっこい形をしている。ピーちゃんと同じ まぁるいのだ。
無意識だと思う。彼の中には、まだピーちゃんがいるのかも知れない。
大人になるためには、捨てなければならない物があるとしても
それは自分で決着をつけなければならない。。。
人から見たら価値のないものでも、その人には宝物。。。
ピーちゃんを捨ててしまった一番上の姉は、現在、子育て中。
[ハリネズミのぬいぐるみ」の画像をよく検索している。
彼女の中にもピーちゃんは存在している。。。